日本三大ほだか
・N国穂高
・天気の子帆高
ネタバレ有るんで見てないなら今すぐ映画館に行ってください、賭ける交通費分の価値はあると思います。
そうか…ついにやったのか!新海誠!
— ゆるヒヤ (@megane_89) July 19, 2019
新海誠がついにやったという情報がどんどん流れてくる、
— ゆるヒヤ (@megane_89) July 19, 2019
俺には血管に逆張りオタクが血液に代わりに流れてる。
そのため自分の想像以上の存在になってしまった新海誠最新作天気の子はまぁ様子でも見るか~と安穏と家でツイッターを見てたらこれだ。
どんどん流れてくる感想、エロゲだのなんだの。
分かった分かった、俺が悪いよごめんよ。
そうこうしてるうちに8月が来た、仰ぐ空から刺す日差しが辛く具合が悪くなるくらいの暑さとともに来た。
天気の子を…見た! pic.twitter.com/K4wgpHh7Y6
— ゆるヒヤ (@megane_89) August 1, 2019
どんどん東京へ一極集中するこの世界。
そんな世界の中、この作品で新海誠の描く東京は綺麗で汚い。
災害級の大雨、雨の滴りで彩りを増す街。
そんな雨を降らせる暗く垂れこむ雲、雲間から望む太陽から注ぐ光で輝いて行く街。
暑くて窓を開けたら急にスコールみてえな身のすくむ雨が降り窓を閉める。でもすぐ止むのでまた暑くなるので窓を開ける、最近は特にそんな繰り返しを延々やってるような気がする。
雨降る東京の街、ビチャビチャになりながら勧誘するメイドとキャバクラの黒服。
自分も数少ない東京へ行った経験を思い起こす、あの時も土砂降りの雨が降ってる中お前はそのまま自分の店に果たして帰れるのか?ってくらい黒服の兄ちゃんが勧誘してきた。
無雑作に積み上がるビルと目がチカチカするほど眩いトウホウマネーパワーで実在性が高まる広告、空から見える神宮外苑と花火。
野球中継で空から撮られる球場が大好きなので神宮球場が見えた途端嬉しくなってしまう。
時に汚く、時に綺麗な街東京が新海誠のタッチで雲や雨とともに描かれる。息を飲む。
今まで(君の名は。まで)そこまで意識して聞いてこなかったRADWIMPSの曲がホンマに良い、なんか前髪が目にかかってる野田が書いた曲バチバチに嵌る。
登場するキャラクター達もまた良い。
就活中のおとなのおねえさん夏美(デカパイ)、帆高の先輩社員としてどう考えてもそんなわけないオカルト雑誌の取材相手にも熱心に話を聞く真面目な姉ちゃん(デカパイ)。
予告時点でヘタクソだなんだと言われてたがそこまででもない。慣れればなんてことなかった声優本田未央(本田翼)。
そんな夏美のおじさん、亡くなった妻の実家に預けられてる娘を抱え糊口を凌ぐように生きるスガ。そういえば帆高が最初に出会った東京の人間か。右も左も分からない東京で猫のようにその日暮らしをしていた帆高を猫のように拾ってきたおっさん。タバコ臭く胡散臭く人間臭いおっさんは本当に良いよねえ。
それはそうと小栗旬は上手いな、実写でルパン三世やったとは思えないよほんと。またなんかの作品で声優してくれ。
小学生ながら数々の女を手玉に取るショタ先輩、親を亡くし母親も兼ねないといけなくなった姉に気遣うセリフが泣ける。年齢にしてマセてるのもその家庭環境ためか、泣いちまうよ。
そんな弟とひとつ屋根の下暮らすヒロインの晴れ女陽菜。帆高がドキドキしながら入った初めての女性の部屋は親を亡くした子供たちが暮らすその家は彼女が作ったランチョンマットとコイケヤのりしおポテチとチキンラーメンで作られた安くても旨い飯があり、貧しくも明るく暮らす彼女の姿がそこにはあった。
ストーリー序盤はスガのおっさんと夏美姐さんと、中盤は風俗なんかに沈められないよう3400円で晴れ女ビジネスを晴れ女と弟のショタパイセンとビジネスパートナーのようで疑似家族のように暮らしていく帆高。
半ば逃げるように田舎から飛び出して来た帆高は綺麗で汚い東京で暮らす彼ら彼女らと関わっていく。俺もこんな陰湿県陰湿市陰湿から逃げてえよ、でも金が要る。都会で暮らすには金が要るのがこの映画ではわかる。
そんな彼ら彼女らの運命は大きく流転する。就活生としがないライター、親のいない2人の姉弟と家出少年の暮らしは大きく変わっていく。
拾ったチャカで陽菜を助けるもそのチャカでマッポに追われる帆高。
どうやら捨てた田舎にいる両親は行方不明者届けをちゃんと出していたようだ。しかしそんな田舎はラストで少し描かれる程度でまったくと言っていいほど出てこない。なぜなら田舎はゴミなので。
帆高の背景をばっさりぼんやりあえて描いていないところも印象に残った。
晴れ女ビジネスで自分がこの力を持った意味を知り晴れた事により喜び人達を見て喜ぶ陽菜、しかし力の代償は大きくどんどん天気が荒れて行き雨からついに雪が降るまでになってしまった東京。
力の代償の大きさを帆高が知るシーンがまた泣ける。何気なく吐かれた言葉の重さ、演出に思わず声が出るくらい唸ってしまった。
ほどなく陽菜は代償を払いに空へ行ってしまう、彼女が使った最後の力で晴れた東京で一人泣く帆高。やっと晴れたねと喜ぶ東京の人間達とは裏腹に。
「好きな女がお空に連れて行かれちまったよお;;助けにいきてえよお;;」
んな話をしたってマッポ共は頭がおかしいと思うだけだ、それでも帆高はそんなマッポ共を振り切り走る。
走る帆高に彼と関わってきたキャラクターたちは応える。本田のバイクで逃走を手助けする姐さん、手玉に取って来た女を使い替え玉作戦で警察署から抜け出したパイセン。
敷かれたレールから少し外れた部分を必死に走る帆高、陽菜と出会った例のビル。初めて彼女の力を見たビルへ向かい走る帆高。グチャグチャになりながらみっともなく走る帆高。前が見えんよ、俺の眼鏡もビチャビチャのグチャグチャだよ。
やっと着いたビルで待ち受けるスガのおっさん、大人になれと止めるおっさん。東京の父のように接してきたおっさんにも行かせてくれとチャカを向ける帆高。
その覚悟を見たおっさんはマッポ2人を抑え込む、行けと言う。姐さんも来る、姐さんはマッポにタックル。行けと言う。ショタパイセンも来る、もともと帆高のせいじゃねえかよ姉ちゃんを返してくれよ叫びながらマッポをぶん殴るパイセン。行けと言う。
空へ向かった帆高。
もういいよ、こんな狂った世界よりもお前とともに生きたい。そう願った帆高に応える陽菜。ほどなく東京一体に降り出した雨とともにストーリーは3年後へ。
3年後の東京は雨とともに水へ沈む、世界を変えてしまった罪悪感とともに再び捨てた田舎から上京する帆高。
水に沈んだ東京はおばあさんの言葉のように江戸へと元に戻っていくかのようだった。
「もともと世界は狂ってるよ気にすんな」と暖かい言葉をかけてくれたちゃんとしたオフィスで仕事するスガのおっさん、そして小池百合子が現在提唱している船通勤の船の上やわずかな陸地から桜を見ようとスマホを向ける人々。
どうやら新海誠バースは地続きらしく前作メンも登場する。観覧車で生意気にデートするテッシーとさやか、陽菜のため指輪選ぶ帆高の背中をそっと押す三葉、瀧君はスイカ切ってたな。四葉もどこかにいるらしい、俺には分からんかった。
元々狂った世界でそれでも生きる人達がそこにはいた。
力を失ってもなお空へ祈る陽菜と雲間から射す太陽光とともに帆高と再会し物語は終幕する。
劇中の帆高の行動は社会的に見ると間違った事ばかりだ、未成年でラブホに泊まったり線路の上を走ったり路上で寝たりマッポをぶん殴ったり。枚挙に暇がない。
しかし帆高の行動はどれもがむしゃらに自分の為、そして陽菜を助けるために行動していた。
どれだけ間違っていてもそれでも大切な人のを命を駆けて取戻し信念を貫き通して行動することへの肯定を徹底的に描いていた。
そんな主人公帆高の行動も、そして帆高の行動や結末で現実で本当に沈んでしまうかもしれない東京を描くことを決断した、己の信念を貫いた新海誠も俺は全力で肯定したい。あんなメガヒットを輩出してもなお自分の描きたいものを描ききるこのおっさんは本当に本当に凄い。
君の名は。が新海誠オールスターズなら天気の子は新海誠日本シリーズだと思う。は?どういうこと?
興行収入250億観客動員1900万人なんてとんでもなくデカくなってしまった新海誠に対して君の名は。の地上波放送も録画だけして見れず逆張りオタク拗らせて初日観に行かなかった俺へ。
新海誠は大丈夫なので初日のチケット買って今すぐ見に行けバーーーーーーーーーーーーーーーーーーーカ。
俺より。